Le Manzane ~レ・マンザーネ~ |
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【カンティーナについて】
レ・マンザーネの歴史は現オーナーのエルネスト・バルビノット氏の父が1959年に設立した果物・野菜販売の会社から始まりました。
当時、野菜などの販売業の傍ら、3haほどの自社所有の葡萄畑を持っち、そこで作ったワインを大手ワインメーカーに売っていました(=バルク売り)。
そのエルネスト氏は1961年生まれ。幼少の頃より父の会社の手伝いでワインの販売をしたり、ワインを造りに関わって行くうちにワインに興味を持ち、74年にコネリアーノの醸造学校へ入学します。
1980年代、プロセッコを造る多くのワイナリーは自社畑を持たず、農家から葡萄を買い求めてワインを造っていましたが、1982年、エルネスト氏は父とともに、メインとなる葡萄畑を購入しました。
そして、2年後の1984年、自身のカンティーナを設立。ただ、設立当初は所有面積も少なく、出来上がったワインを殆ど大手ワインメーカーに売っていました。
その後、1989年にスプマンテ用の瓶詰機械を購入します。
1990年代に20haほどのプロセッコ用の葡萄畑をさらに購入。
減農薬法についての研究をコネリアーノ醸造学校と共に行い、本格的にプロセッコスプマンテの生産を開始しました。
そして94年から本格的にスプマンテの瓶詰を開始し、97年には当時では珍しかった耐圧タンクを自社で購入しています。
それにより減農薬での葡萄栽培から収穫、1次醗酵、2次醗酵、そしてボトリングまで全てを自社で行う現在のスタイルになりました。
今年は念願だった新しいカンティーナも完成し、さらなる品質向上が期待されます。
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【2011年2月20日 レ・マンザーネ来店】
オーナーの「エルネスト・バルビノットさん」をお招きしてティスティング・セミナーを開催しました。
セミナーでは約1時間、熱く語ってくれたエルネストさん。
その内容の一部をご紹介すると・・・
(1)リュット・レゾネについて
レ・マンザーネを語る上でどうしても外せないことがあります。
それは「リュット・レゾネ」と呼ばれる減農薬農法です。
レ・マンザーネは自社畑での葡萄栽培、自社での瓶詰めまで行うというだけではなく、前述のコネリアーノ醸造学校と共同で8年もの期間、共同研究を行い葡萄の栽培方法、特に減農薬農法に力を入れて来ました。
なぜ、完全なビオロジック(無農薬)をしないのか、という意見もありますが、これには理由があります。
ヴェネト州は雨が非常に多い地域で、葡萄の天敵「ベト病」が発生しやすい環境です。その為、ベト病の予防として農薬がどうしても必要になります。
ビオロジックの認定を受けるには、通常の農薬の使用は認められませんが、唯一「ボルドー液」と呼ばれる生石灰と硫酸銅を混ぜた薬剤は認められています。
その為、ビオロジックを語っている生産者(全ての生産者とは言いませんが)は、必然的にボルドー液の散布が非常に多くなります。葡萄は銅に対して比較的抵抗性があるそうですが、土壌中の銅濃度が高いと栽培ができない植物もあります。
余談ですが、ボルドー液は魚毒性も高く、琵琶湖を抱える滋賀県ではかなり以前からボルドー液の散布が禁止されているそうです。
というわけで、エルネスト氏は「大量のボルドー液」を使うビオロジックよりも「極少量の農薬」を使うリュット・レゾネを選んだ訳です。勿論必要な時にしか散布はしませんし、その際も畑に飛んでいる虫の種類・数をチェックして、薬を散布する量を決めます。
また、減農薬では少しは化学的な肥料は使っても良い事になっていますが、マンザーネでは基本的に有機系のものしか使わないというスタイルを貫いています。
「あくまでも、必用なこと以外はせずに、葡萄の状態を観察することが一番大切な事」
レ・マンザーネの高品質なプロセッコは畑におけるエルネスト氏のこれらの姿勢も表現されているんです。
(2)ボトリングの秘密
自社畑で丁寧に育てられた葡萄は8月末から9月上旬にかけ丁寧に収穫されたのち、ソフトプレスされ、5-7℃に冷却されます。その後、16-18℃で1次醗酵が行われ、ワインが造られます。
ここで、たいていのワインメーカーはすぐに2次醗酵に入るのですが、マンザーネでは全てをすぐに2次醗酵に掛けるわけではありません。
彼は出荷数に応じて2次醗酵を掛けます。
つまり、我々が注文してから2次発酵をかけるため、他のメーカーより大幅な日数がかかりますが、出荷に合わせて2次醗酵のタイミングを決めるので、常にフレッシュな味わいと、キメ細かい泡立ちが楽しめるんです。
(3)プロセッコD.O.C.G.
2009年ヴィンテージからコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ地域がDOCGへ昇格しました。
1962年に11の生産者によってコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ品質保護協会が設立され、1969年にはコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネがDOCに認定されました。
しかし当時はプロセッコに限らず、イタリアワインは「質より量」の時代。大手メーカーが買い集めた葡萄を機械的に醸造した大量生産型のワインが生産の多くを占めていました。
1990年代に入り、コネリアーノ/ヴァルドビアデーネ地域の生産者の中でもレ・マンザーネをはじめ少量生産ながら高品質のワイン造りに特化したカンティーナが現れ始めました。
生産者協会の熱心な取り組みもあり、いよいよ2010年にはコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネがDOCGに認定され、名実共に最高のプロセッコ産地としての地位を確立しました。
同時に、プロセッコの名称はDOC/ DOCGの名称としてのみ認められ、今までの品種名としてのプロセッコは使用できなくなり、「グレーラ」という名称を用いる事が義務付けられました。
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◆エルネスト氏から聞いたよもやま話
◆シンボルマーク「白鳥」について
レ・マンザーネのシンボルマークは「白鳥」。なぜ白鳥なの?と聞いたところ・・・
その1:白鳥の優雅さと自分のワインの味わいを重ね合わせた
その2:白鳥は、畑の雑草を食べてくれる「益鳥」だから
◆自分のプロセッコ以外も飲んでくれ!
コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネDOCG地域には、優れた生産者がいっぱいいる!だから、店頭に私のワインが無いからと言ってシャンパーニュ等を買わないで、是非ともDOCGプロセッコを飲んで欲しい。
おぉ、太っ腹っ!
いかにも地域を大事にするエルネストさんらしい言葉でした♪私〈Francesco〉も、今後もずっとレ・マンザーネを応援しますねっ!
〈Francesco〉
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レ・マンザーネが作るスティルワイン(非発泡性ワイン)
レ・マンザーネが作るスプマンテ(発泡性ワイン)
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2011年2月20日 |
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通訳はもちろんジョバンナさんです |
質問に真剣に聞き入るエルネストさん |
試飲タイム!もちろんフリーです |
「闘うワイン商」川頭氏も参戦してくれました! |
女性に大好評だったロゼ! |
同行のマルコ氏と。何かみつけたの? |
気軽にサインに応じるエルネストさん |
フォッソ・コルノとのコラボセミナーでした |
マンザーネの名刺、お洒落! |
日本家屋でくつろぐマルコさんとエルネストさん |