ワイン・グローリアス

塩味を感じさせるミネラル感が豊富
コクがありながらも爽やかで親しみやすい【白】

【ソムリエ〈Francesco〉コメント】

グリッロ種（Grillo）。

かつてマルサラ酒のベースに使われたシチリア島由来の地葡萄です。

マルサラ酒のみならず、テーブルワインの主要品種として全盛を極めたものの1980年代。

国際品種シャルドネ等の人気沸騰によって転作する農家が激増し栽培面積が半減。。。

でも諦めず、グリッロ種の可能性に賭ける少数の葡萄農家によって21世紀になっても細々ながら栽培されてきました。

その葡萄グリッロ種を使い、エレガントな味わいを実現したワインがこちらです。 

◇2023　カドス/シチリア・ビアンコ
　Kados  Sicilia Bianco

作り手は1824年創業の「ドゥーカ・ディ・サラパルータ」。

ドゥーカ・ディ・サラパルータは数多くのワインを醸しますが、その中でもおすすめする【白】ワインがこのカドスなんです。

グリッロ種を使うワインは、ステンレスタンクで発酵させる事が大半ですが、ドゥーカ・ディ・サラパルータが選んだ醸造法は「オーク樽発酵」。

そして約40日後にはセメントタンクに移され、シュール・リーの状態で春先まで熟成。

特にシュール・リー製法はリスクを伴いますが、歴史と経験を持つドゥーカ・ディ・サラパルータらしく容易く仕上げています。

さて、その味わいとは・・・

【シュール・リー製法の補足】
簡単に言うと、醸造段階で発生する澱（おり）を取り除かず、そのまま数ヶ月熟成させる方法です。
ワインに複雑さと旨味を与える特長がありますが、失敗するとエグ味や不快な香りが出る欠点もあるため、この醸造法をとるワイナリーは少数です。

　‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

グラスに注がれたワインは、黄の色調を帯びた麦わら色。
（右テイスト画像をクリックすると色合いが確認できます）

このグラスからはレモンやグレープフルーツ、白い花、そしてフェンネルのようなハーブ香の特徴的な香りが漂います。

そして、ひと口含むと・・・

ピーチやパイナップル、洋ナシといった熟した果実の風味があり、フルーティでまろやかな印象を受けます。

このまろやかさは、オーク樽発酵がもたらす効果と感じます。

また、海からの風の影響を受けて育つためなのか、塩味を感じるようなミネラル感ときれいな酸があり・・・

コクがありながらも爽やかで親しみやすい白ワインに仕上げられています。

　‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

このカドスの味わいと料理とのペアリングなら魚介、白身肉、レモンを使った料理、さらには軽めのパスタなどとよく合う印象がありますが・・・

私〈Francesco〉的にお奨めは

※鯵フライ

レモンをササッとふって、このワインと合わせれば・・・

もう、そりゃぁピッタリ！

適度なコクはスモークされたチーズやサーモン・・・といった“おつまみ系”にも良くマッチします。

ぜひ楽しんで下さいませ！

　‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

【産地】イタリア　シチリア島
【生産者】ドゥーカ・ディ・サラパルータ
【タイプ】白ワイン/辛口タイプ
【葡萄品種】グリッロ100%
【容量】750ml
【アルコール度数】 12.5%
【料理との相性】魚介類や白身肉を使う料理　パスタ料理など

【ワイナリーの詳細はこちら】　⇒　ドゥーカ・ディ・サラパルータ